
こんにちは。青森放送局気象キャスターの阿見武寛です。
今月8日青森では初雪となりました。青森の皆さんは長く厳しい冬の到来に覚悟を決めます。
実際には、初雪の発表に先立って雪のようなものが降ることが多い地域なのですが、そもそも何をもって「雪」とするのか。
実は気象の観測上、雪に分類されるものと分類されない気象現象があります。
たとえば初雪の対象となるものは、「雪・ダイヤモンドダスト・みぞれ・ふぶき」など。
一方で、初雪として記録されないものは「雪あられ・ひょう・凍雨・氷あられ」といった現象があげられます。
左下の凍雨とは、雨が降ってくる途中で冷たい空気によって冷やされ、凍った状態で落ちてきたものです。見た目は透明な氷の粒ですが、これらは「観測上は」雪に分類されません。
こうした多様な現象を目視によって脈々と観測が続いてきましたが、今季から東北の地方気象台でも観測機器による自動観測へ変わりました。「薄曇り・快晴・あられ」などの天気現象また「雲量」の分類も廃止となり、「晴れ・曇り・雨・雪・みぞれ・もや・煙霧・霧・雷」は自動観測として継続されます。人から機械の観測へと変わるわけです。
降水形態の見た目の微妙な違いも画一化されてしまうのでしょう。
しかしながら業務の効率化・省力化を実現することで、より防災対応を強化する狙いもあります。
寂しい気持ちはありますが地域の防災支援へ繋がれば幸いです。